歯ぐきの腫れや出血~歯周病治療~
「歯ぐきの腫れや出血」……それは歯周病の影響かもしれません。初期の歯周病はほとんど自覚症状がなく、知らないうちに進行していき、重症化すると歯が抜け落ちてしまうこともある病気です。
佐世保・大串歯科医院では歯周病治療に力を入れている歯科医院です。歯周病は全身の健康にも深く関わっています。気になる症状があれば、早めに当院へご相談ください。
歯周病の治療について
歯周病は口腔内に増殖した歯周病菌が出す毒素によって、炎症が起こる病気です。そこで歯周病を治療するには、日々の徹底した管理(プラークコントロール)と歯科医院での歯周病治療で、口腔内の歯周病菌をできるだけ減らしていくことがポイントです。
歯周病治療では、専用の器具を使用して、歯周病菌の棲み家であるプラーク(歯垢)や歯石を徹底除去します。さらに、毎日の歯みがきで歯周病菌の増殖を抑えられるように、患者様に合わせた歯みがき指導を行っています。
歯周病を発症するしくみ
歯周病の原因である歯周病菌は、体内に存在する菌のひとつです。からだが歯周病菌に対して適正な免疫反応を示しているうちは発症することはありません。
しかし口腔内の歯周病菌が増え、中でも悪い菌が増えていってしまうと、免疫反応では対処しきれなくなってしまいます。そうなると、これまで歯周病菌と戦ってきた免疫が、歯周組織を攻撃する側にまわってしまうのです。こうして歯周病が進み、歯の骨まで溶かしていきます。
歯周病の検査方法の紹介
検査方法紹介~バナペリオ~
当院では、歯肉縁下(しにくえんか:歯周ポケットの内部)に入り込んだプラークに棲みつく菌を調べるために「バナペリオ」という歯周病検査があります。
バナペリオの特徴
- 診療室内で、簡単に検査が行えます。
- 5分後には結果が出るため、診察中に状態を知ることができます。
- 結果を目で見て確認できるため、患者さんにも分かりやすいご説明が可能です。
- 測定結果は長期間保存が可能なため、経時的な変化を比較することができます。
検査手順
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STEP1
歯肉縁下のプラークを採取し、検査用の試験紙に塗り付けます。
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STEP2
機械に試験紙をセットし、5分待ちます。
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STEP3
陰性→弱陽性→陽性と、色別にて結果を確認できます。
歯周病菌について
歯周病を治療するには、敵である歯周病菌についてよく知っておくことが必要です。お口の中で歯周病菌はどのように増えていくのでしょうか?
歯周病菌は空気が嫌いな菌。このため、お口の中でも空気に触れにくい、歯と歯ぐきのすき間である「歯周ポケット」に棲みつきます。しかし健康な歯ぐきの歯周ポケットは2~3mmの深さで、歯周病菌がとどまることはできません。
ところが歯みがきが不十分だったり、生活習慣が乱れたりすると、歯ぐきがブヨブヨになったり腫れたりしてきます。そして歯周ポケットが4~5mmと深くなり、歯周病菌が棲みついて増殖していくのです。
プラークとなって歯に付着し歯石になる
歯周病菌はお口の中でプラーク(歯垢)という「のり状」の汚れとなって、歯に付着します。プラークは、口をゆすぐ程度では除去できません。歯ブラシの毛先がきちんと当たった部分だけ除去できるのです。
プラークは糖分をエサに口腔内でどんどん増えて、ふくれあがっていきます。そして、古い部分は歯石となって、歯みがきでは落とせなくなります。歯石の表面はザラザラしており、さらに菌が付着してしまうという悪循環に陥ります。
常在菌なので完全除去は難しい
歯周病菌は体内に存在する「常在菌」のため、完全に除去することは不可能です。しかし菌が存在していたとしても、免疫力があれば菌の活動を抑えることができます。
すなわち、歯周病菌をうまくコントロールして、免疫で対処できるくらいの量に抑えることができれば歯周病が発症することはありません。歯みがきをしっかり行って、歯周ポケットが深くなることを防ぎましょう。
細部まで確認できる「ペリオスコピーシステム」とは?|歯周病治療
歯周ポケット内を目で確認できる「ペリオスコピーシステム」は、精密な歯周病治療を可能にしています。「ペリオスコピーシステム」は、まだ国内では導入している歯科医院が少ない最先端システムです。
ペリオスコピーシステムとは
ペリオスコピーシステムとは、従来では見ることができなかった歯肉縁下のプラークや歯石、感染組織などをモニターにて確認できる歯科用簡易内視鏡です。細部まで拡大し、目で見ながら処置が行えるため、歯石などの確実な除去が可能になります。
また、モニターで情報を共有でき、患者様にも口腔内の状態をご覧頂きながら、説明することができます。
2001年以降世界で採用されているシステムであり、確実な治療によって早期の回復が期待できます。
ペリオスコピーの特徴
- 従来と比較し、正確な診査・診断が行えます。
- 可視化により、細部までのプラーク・歯石除去が可能になります。
- 重度の歯周病治療においても、早期治癒が期待できます。
- 歯周外科手術の確率を下げ、患者様のお体への負担を軽減します。
5分でわかる唾液検査機!「SiLL-Ha(シルハ)」(旧名:スポットケムST)
むし歯や歯周病の予防には、さまざまなアプローチの仕方があります。口腔内の状態は人それぞれであり、どのような予防が有効であるかも人それぞれです。唾液検査でお口の状態を知り、むし歯や歯周病のリスクを細かく分析することによって、一人一人に合った予防プログラムをつくることが出来ます。
「SiLL-Ha(シルハ)」(旧名:スポットケムST)で測定する項目
「SiLL-Ha(シルハ)」(旧名:スポットケムST)で測定する項目は大きく分けて3つ、「歯の健康に関する項目」「歯ぐきの健康に関する項目」「口腔清潔度に関する項目」です。一つ一つ詳しくみていきましょう。
歯の健康に関する項目
①むし歯菌
むし歯菌が多いと、歯の表面に歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯の健康を損なうことが知られています。
②酸性度
唾液の酸性度が高いと、口腔環境は酸性になり、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすいことが知られています。
③緩衝能
唾液には、むし歯菌や食物由来の酸を中和する機能(緩衝能)がありますが、その働きが弱いと、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすいことが知られています。 当院で行う検査では、一定量の酸存在下の複合pH指示薬の呈色変化から、酸に対する唾液の中和力を検出しています。
歯ぐきの健康に関する項目
①白血球
歯と歯ぐきの間で細菌や異物が増加すると、生体の防御作用により唾液中の白血球が増加することが知られています。
②タンパク質
口腔内細菌や、歯と歯ぐきの間にあるバイオフィルム(プラーク)の影響により、唾液中のタンパク質が多くなることが知られています。
口腔清潔度に関する項目
①アンモニア
口腔内の細菌総数が多いと、唾液中のアンモニアが多くなることが知られており、口臭などの原因になるといわれています。
早いだけじゃない!「SiLL-Ha(シルハ)」(旧名:スポットケムST)で唾液検査を受けるメリット
「SiLL-Ha(シルハ)」(旧名:スポットケムST)を用いた唾液検査は、測定時間が5分と短く、患者さまへの時間的なご負担を最小限に抑えることができます。しかし、メリットはそれだけではありません。
結果シートがわかりやすい
結果シートのグラフが視覚的にわかりやすく、一目でご自身のお口の状態を捉えることが出来ます。そのため、予防、メンテナンスのモチベーション維持にはうってつけではないでしょうか。
長く健康的な生活を送っていただくために、患者さまがいち早く予防の重要性に気づかれ、継続したメンテナンスを行っていただくことをおすすめいたします。
Curline(キュアライン)
キュアラインとは
音波式電動歯ブラシを使用することにより、口腔ケアサービス「Curline(キュアライン)」と連動して、歯科医がすすめる一人ひとりに最適なみがき方を実践できるシステムです。
診察時に歯科医が患者様のみがき残しの箇所、みがき方の癖などを確認したうえで最適なみがき方を処方し、PCソフトに入力して音波式電動歯ブラシ本体に登録します。
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音波式電動歯ブラシに登録された情報をスマートフォンのアプリを見ながら、どの角度で、どこをどのくらいの時間磨けばよいかを確認できるので、ガイドに従って歯みがきを行うだけで、自宅で最適なみがき方を再現できます。
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記録された歯みがきのデータはクラウド上の「歯みがきデータ分析システム」へ蓄積され、リアルタイムで歯科医院にも送られているので、次回の通院時には共有された情報を見ながら、歯科医と一緒にみがき方をチェックし、しっかり毎日磨いているか確認できます。
歯周病と全身疾患のつながりについて
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨など、お口の中だけの病気ではありません。歯周病は、全身の健康にも大きく影響を及ぼすことが分かっています。歯周病の原因である歯周病菌が、血液を介して全身に運ばれることによって、様々な病気を引き起こすのです。
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狭心症・心筋梗塞
血管を詰まらせる原因となる「血栓」と歯周病菌に関係があることが知られています。血栓によって血管が詰まることで、狭心症や心筋梗塞などの心疾患を引き起こします。
歯周病の人は1.15~1.24倍リスクがあがります。 -
脳梗塞
血栓によって脳の血管が詰まることにより、脳梗塞を起こすリスクが高まります。歯周病患者はそうでない人にくらべて2.8倍も脳梗塞リスクが高いといわれています。
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肺炎
誤嚥(ごえん)によって歯周病菌が気管に入り込んで肺にまで到達すると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。とくに高齢の方は注意が必要です。
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動脈硬化
おかゆ状の沈着物が血管内に溜まり血管を狭めることで動脈硬化を引き起こすといわれています。この沈着物内に歯周病菌が検出されたという報告があります。
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肥満
歯周病は生活習慣病のひとつであり、肥満とも深い関係があります。歯周病と診断された人が肥満になったり、肥満の方の歯周病リスクが高まったりします。
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糖尿病
糖尿病と歯周病は、お互いの病状を悪化させる関係であることが指摘されています。その原因としては、インスリンの働きが低下することによるといわれています。
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骨粗鬆症
骨粗鬆症になると歯を支える歯槽骨という骨ももろくなってしまいます。このため、歯周病の病状の悪化リスクが高まります。
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低体重児出産・早産
妊娠している女性が歯周病にかかると、陣痛を促す物質が分泌されることにより、早産や低体重児出産のリスクが高まることがあります。